「その指揮を執っていたのは、コイツの兄貴なんだろ?」
「族の名前はイレイズ。兄貴は、そこの総長らしいぞ。
元々は親父がB地区を始末するために族を買ったみたいだが、面倒になったのか、すぐに指揮権を兄貴に譲ったらしい。
そこからは兄貴が総長になって、妹を守るために族を動かしてるって話だ」
「え……?」
今のは、聞き間違い?
だってお兄さまが私を守るって……ウソだよね?
「でも妹のためばかりに族を動かしていても親父にバレるから、表向きのためにテキトーにB地区にも刺客を送ってるってよ」
「親父は見抜けなかったのか。とんだバカ親だな」
「そんな兄貴に守られてると知らなかったコイツも、大概だけどな」
チラリと、男の一人が私を見る。
「さっきコイツが部屋を出て来た時があったろ。おびき寄せるために空き部屋に電気をつけていたら見事引っかかった。かと思ったら……兄貴のご登場だ」



