キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


だけど、そう考えている内に意識は朦朧としてきて。

きっと口を押えられたハンカチに眠り薬が塗られていたんだと、薄れゆく意識の中で思ったところでもう遅い。


「りょ、き……くん……」


完全に眠る直前、名前を呼んだ。

そして名前を呼んだ人に言われた言葉を思い出す。



――未夢ももう少し警戒心強めろよ

――頼むぞ未夢。次は守ってやれるか分からないんだからな



「っ!」


そうだ、凌生くんは確かにそう言った。

それなのに、私ったらなにを甘えてるんだろう。

自分でなんとかしないと――!


「さ、わら……ない、でっ」


自分の身は自分で守らなきゃ。

いつも誰かに頼ってばかりじゃ、ダメなんだ。


ガチャン


誰かこの異変に気付いてほしい――


そう思って、部屋の出入り口に置いてある花瓶を手で払い、床に落とす。

思ったより大きな音がした、これで誰か気づいてくれるかも!

って思ったけど。