キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


あと十分くらい経ったら、もう一度廊下に出てみよう。

お兄さまも寝ているかもしれないし。

「だって夜中に空き部屋の片づけなんて……そんなの可哀想だよ」


お兄さまが寝入った後なら、使用人さんに「もうしなくていいよ」って言ってあげられる。

片付けの続きは私がすればいいし。

さっき寝ちゃった分、変に目が冴えちゃってるんだよね。


と思っていたら。


コンコン


「ん?」


なんと私の部屋がノックされた。

何も言わないところを見れば、使用人さんかな?

お兄さまなら「入るぞ」ってすぐ入って来るだろうし。


「まさか片付けが終わったとか、そういう事かな?」


さっきと同じく「出ます」と言って、ドアを開ける。

すると、その瞬間――


ガチャ


「へぇ。家出娘が帰って来たって噂は本当だったってわけか」

「え、ん――!」

「ちょっと眠っててね、おじょーちゃん」


ドアを開けた先にいたのは、二人の男。

まさかイレイズ!?