キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


明かりが漏れている部屋へ急いで走る。

だけど、目的の部屋に到着する前に、


ガシッ


「ひ……ッ」

「静かに。声を出すな、音を立てるな」

「……っ」


走っていたら、すぐ横の扉が開いた。

にゅっと伸びた手は――なんとお兄さま。


「あの明かりを不思議に思ってドアを開けようとした、そうだな?」

「……っ」


静かにしろと言われた手前、声を出すと絶対に怒られるから。

薄暗い廊下で「コクコク」と頭を縦に振った。

するとお兄さまは「とんだバカだな」と。いつもの如く私にキツイ言葉を浴びせる。


「あれは新しく物置となった部屋だ。お父様の命令で、今は使用人が片付けているそうだ。だから勝手な事をするな」

「……っ」


今って……夜中だよ?

なにも今させなくたって、片付けなんていつでもいいんじゃないの……?


と言いたいけど、有無を言わさないお兄さまの圧がピシピシ伝わってくる。

ここは……いったん部屋に戻った方がよさそう。