キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


誰も私を助けてくれない。分かってくれない。

私は一人なんだって、いつも俯いてた。

少しでも周りを見ていたら、こういった使用人さんたちの視線に気づけたかもしれないのに。


「今、そのお話が聞けただけでも……とても嬉しいです。ありがとうっ」

「! なんだかお嬢様、」


強くなられましたね――


と言ってくれた使用人さんたち。

そんな彼女たちから、勇気をもらえた気がする。


やっぱり私は、前よりも強くなれてる。

泣き虫の私から変わることができている。


「だけど……」


さっきの使用人さんたちの言葉を思い出す。



――まさか覇鐘様が、自ら水をかぶるなんて



それって言いかえると……お兄さまが私を庇ったって事?

うーん、信じられないなぁ……。


「でも使用人さん達が嘘ついてる言い方にも聞こえなかったし。第一、嘘つく必要なんてないよね」


じゃあお兄さまは本当に自ら水を被ったのかも。

だけど一体、何のために――