「あ、あの」
「え! 未夢様!?」
「こんなところで何を!?」
驚いていた使用人さんたちだけど、私が手に持っている物を見て「あぁ」と頷く。
「呼び鈴を鳴らしてくだされば部屋まで取りに行きましたのに」
「お嬢様がこんな場所へこられるのは、これっきりにしてくださいね。でないと私たちが怒られますから」
「す、すみません……。
それで、あの」
さっきのお話ですが――と切り出すと。
使用人さん達は「あ」と口を覆った。
「申し訳ありません、私たちごときが噂話なんて」
「ち、違うんです。あの時のお兄さまのことを詳しく聞きたくて……」
すると使用人さん達は困ったように眉を下げた。
「詳しく、と言われましても……覇鐘様が水を被った経緯は、未夢様もご覧になった通りです」
「そう、ですよね……」
「どうかなさいましたか?」
「いえ、なんでもないです」
「?」
「……っ」
気まずい空気になってしまった……。
私がお兄さまの事を根掘り葉掘り聞くのも不審がられるし、これ以上ココにいたら仕事してる使用人さん達の迷惑になっちゃう。
あ、そうだ。
「迷惑」といえば……。



