キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「お前のせいで濡れた服とタオルだ。反省の意をこめ、お前が洗濯室まで持って行け」

「は、はい……」


お兄さまが着ていたシャツと一枚のタオル。

ギュッと腕の中におさめ、お辞儀をしてお兄さまの前から去った。


「とても聞ける雰囲気じゃなかったなぁ……」


聞いたところで「うるさい」と倍返しされるのがオチだろうし。

……うん、聞かなくて正解だったかも。


「となると、自分で怜くんの真相を確かめるしかないってことだよね」


お屋敷の中から駐車場を見ると、すっからかん。

ということは怜くん、もう帰ったんだ。

またお屋敷に来てくれるのかな。

聞きたいことばかりだよ。


「はぁ……、ん?」


洗濯室に近づいた時。

使用人さんたちの話し声が聞こえた。


「それにしてもさっきのはビックリしたわ」

「まさか覇鐘様が自ら水をかぶるなんて」


「……え?」


水をかぶるって……さっきのご飯の時だよね?

お兄さま〝自ら〟って、どいうこと?