ううん……怜くんがそんなことをする人には見えない。
でもフロンティアとお兄さまは、いわゆる敵同士。
それなのに仲良くしてる理由は……?
「全然わからないよ……」
するとガチャリと音がして、部屋からお兄さまが出てきた。
濡れていた髪や服は既に跡形もなく綺麗になっていて、私を見る目の鋭さもいつも通り。
「何をしている」
「え……お、お兄さまに謝りたくて」
「何をだ」
「先ほどは私のせいで水を被られたので……そのお詫びに」
「……」
するとお兄さまは無言のまま私を見た。
な、何を言われるのかな……。
お兄さまが何を考えているのか全く分からない。だからこそ怖い。
「……あ、」
そうだ。お兄さまに直接聞いてみるのはどうかな。
「さっき冬城さんが来られてましたか?」って。
「あ、あの。さっき、」
意を決して口を開く。
だけどお兄さまはなぜか部屋に入り……すぐ出て来たかと思えば、バサリと何かを私に投げた。



