そして何とか泣くのを耐えて、お兄さまの部屋の近くに来た。
だけど、そこで衝撃的なものをみる。
「じゃあね」
パタンとドアを閉めて、お兄さまの部屋から出て来た人物。
それは――
「怜くん……?」
見間違いじゃない。
あの姿は、絶対に怜くんだ。
「待って、怜くん!」
どうしてココにいるの?
B地区に帰ったんじゃないの?
そもそも、どうしてお兄さまの部屋から出てきたの?
聞きたいことは山ほどある。
お願い怜くん、逃げないで!
と思ったけど、角を曲がった瞬間に姿は見えなくなる。
あれ? 確かにこっちに来たはずなのに。
「それよりも、さっきの様子だと……」
――じゃあね
怜くんとお兄さまは仲がいいの?
でも怜くん、お兄さまは凌生くんにヒドイことをしている人だよ?
それなのに、どうして?
「まさか怜くん、B地区を、フロンティアのみんなを裏切ってる……?」



