キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ



――いくら春宮が忠犬になったところで、未夢を守り切ることは出来ない



悔しいが、冬城の言う通りだ。

覇鐘に従っているだけでは埒が明かない。

いつまで経っても、未夢を救うことはできない。


フロンティアで総季に一矢報いる、とは言ったが……結局、今まで族として動いたことは一度もない。

だけど……族には族だよな。

下手に出て勝ち目がないなら、いっそ――


真っ向勝負といこうか。


「まずはイレイズを消す。次に本丸の総季家だ」


だけど、いくら志を高く持ったところで、俺たちがなし崩し的に一致団結しただけでは、きっと総季家に勝てない。

もっと根本からB地区を、フロンティアを変えて行かないといけないんだ。


「……――雷斗、梗一、怜」


「え、俺らを名前で呼んだの!?」と目を輝かせた雷斗が、まるで猫のように口をくねくね曲げて笑っている。


「みんなで協力して未夢を助けないか?」


目を開いて驚いた雷斗、梗一。

しかし、怜だけは顔を歪めた。