キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「はぁ、あほらし。

そんなに名前呼びが嫌なら〝姫〟呼びにすれば?」


――だから私にとって可愛い服は、見てるだけでお姫様になれた気がするんです


「きっと本人も……そう呼ばれたら喜ぶだろうし」


すると夏屋が「喜ぶかなぁ?」と首を捻る。

確かに「姫」なんて言われて喜ぶなんて小さい女の子だけだろ。


だけど冬城は「これだから」と、俺たちを哀れな目で見た。


「例え喜ばないにしても、もう未夢は皆にとってのお姫様でしょ? だって皆、言わないだけで未夢のこと大好きじゃん」

「は!?」
「え」

「……はぁ」


夏屋と秋國が驚いた顔をした後、少しだけ耳を染めたのは……この際、不問にする。

これじゃいつまで経っても話しが進みやしない。


今だって、未夢が一人で頑張ってるんだ。

俺たちは俺たちに出来る最善を尽くさないと。