「残念ながら誰のことも覚えてない。だから自己紹介って言ってんだろ」 「げ、まじ? 春宮クン可哀想~」 その言葉に春宮さんがムッとした顔をする。 な、なんだか険悪な雰囲気なんだけど……。 もしかしてこの人たち、仲が悪いのかな? 「おい、未夢」 「っ! は、はい」 いけない、ぼーっとしてた。 頭をぷるると振って、私を呼んだ春宮さんを見る。 「これから嫌でも顔見知りになるだろうから紹介する、一度で覚えろ」 「え、……は、はいっ」