キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「おい、なんの冗談だよ冬城。なんで未夢をここにつれてきた」

「春宮こそ、なにやられてんの。言ったよね〝ヘマしないように〟って」

「これは俺と覇鐘の問題だ! 未夢はなにも、」


と怒鳴った瞬間。

怜くんは「ちがうよ」とピシャリと言った。


「これは未夢ちゃん含めた総季家の問題だよ。そこに春宮が首を突っ込んでもややこしくなるだけ」

「お前……昔からどんな思いで未夢がこの家で育って来たか、よく知ってるだろ」

「……知ってるよ」


怜くんは眉を顰めた。

そして私を一瞥した後、大きな屋敷に目を移す。


「でも悲しい思いをしているのはこの子だけじゃないって事も、俺は知っているんだ」


その瞳は、まるで誰かを見ているようで……私は何も言えなかった。



「おい。今のどういう、」

「ごめんね春宮――」