「え……凌生くん?」
「未夢、どうして……」
……そうか。
さっき怜くんがビクリと体を揺らしたのは、追いかけて来た凌生くんを見つけたからなんだ。
凌生くんの存在を、私の答えが出るまで内緒にしてくれたんだね。
「ありがとう、怜くん」
「……てっきり恨まれるかと思った」
「そんなわけないよ」
私が答えを言うまで、待ってくれてありがとう。
だって先に凌生くんの姿を見ちゃったら……凌生くんと一緒にB地区に帰りたくなっちゃうもん。
「怜くんのおかげで正しい判断が出来たよ。
――お願い、凌生くんを連れて帰って」
「……俺はさ」
私の頬に流れる涙をふきながら、怜くんは薄く笑った。
「あんたのそういうカッコイイところ、嫌いじゃないよ」
「私も、昔から変わらず優しい怜くんが好き。
もしも次に怜くんと、皆と会えるとしたら……また昔みたいに仲良く遊びたいな」
「――うん。その時を楽しみにしてる」
「へへ……っ」
お互いニコリと笑って、凌生くんの元へ向かう。
この現状を把握しきれない凌生くんは、かなり怒っていた。



