キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「え……?」


未だ乱れている呼吸をなだめるよう、肩で息をしながら怜くんが言った。


「あそこまでされて、どうして春宮がやり返さないか。

そんなの簡単じゃん。

あんたを守るためだよ」

「!」



――お前は人質だ、未夢

――これから俺らが総季家に一矢報いる道具になってもらう



「人質だって言った。道具だって、そう言ったのに……っ」


人質じゃなかった。

道具でもなかった。

凌生くんは、私を匿ってくれていた。


ずっとずっと守ってくれていたんだ――


「なんで、そんな無茶なことを……っ。お兄さまに逆らったら、どうなるか分からないのに」

「無茶でもあんたを守りたかったんだよ。あんたが虐げられるのが春宮は嫌なんだ」

「っ!」


そうか、だから再会した時に、



――お前、まだ兄貴から虐められてんの?

――兄貴からの、まだ続いてたなんてな



あぁ言った時、悔しそうな顔をしていたんだ。