キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ



「……っ!」


久しぶりに聞くお兄さまの声に、ぞわりと鳥肌が立つ。

思わず耳を塞ぎたくなったけど、怜くんが「降りろ」と言わないところ見れば……このまま中を見ろってことなんだろう。

降りたい衝動を押さえて、続けて中を覗く。



「あの約束、忘れたわけではないだろう?」



お兄さま……誰と話しているんだろう。

自分の部屋じゃなく、わざわざアトリエでお話しなんて。

それに「約束」って――?


と不思議に思った時。


バンッ


大きな音がしたと同時に、部屋の片隅から「何か」が飛んでくる。

ビックリして一瞬だけ目を瞑った。


だけど……


さっき視界の片隅で見た「何か」をもう一度みたくて。

「できれば私の見間違いであってほしい」と願いながら、はやる心を押さえ、もう一度だけ中を覗く。

すると――