キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「本当は果パンとかがいいんだろうけど、あいにく切らしててな」

「いえ、私は凌生くんのご飯が食べたいです。いただきますっ」


パクッ


「うぅ、美味しい……っ」

「泣くことはないだろ、しょっぱくなるぞ」


朝日が当たって赤く光るピアスの横で、「はは」と、目もとにシワを作りながら笑う凌生くん。

そんな凌生くんを見て笑う私。


こんな穏やかな時間がずっと続けばいいのにって。

そんな事を思いながらご飯を食べた。


だけど、私は忘れていた。


いい事の後には必ず悪いことが来るんだって。

今日の夕方。

それを嫌と言うほど思い出すことになる。




――ご飯を食べた三十分後。




私と怜くんは車に揺られて学校に到着した。


「今日も送っていただき、ありがとうございました」

「あのさ」

「はい」


車の窓を降ろして怜くんとお話しする……のだけど。

怜くんの顔は、どこか暗い。