「だから、そういう発言が無防備だっていうの。俺が極悪人だったらどうするわけ?」
「凌生くんは違います」
「例えばだっての。それに夏屋だってそう。あいつだから大丈夫だったものの、男の前で寝るなんて警戒心なさすぎ」
「あいつだからって……まるで雷斗くんを信用してるような言い方ですね」
もしそうだったら嬉しいなと、目をキラキラさせて凌生くんを見る。
だけど凌生くんは大きな手を広げて、私の視界を覆った。
「話をそらすな。あの光景を俺が見た時、どんな気持ちだったか未夢にわかるか?」
「え……」
眉の中央にできたシワ。
両端が下がった口。
これは……怒ってるってことかな?
「やっぱり病人のベッドを勝手にお借りしたのは良くなかったですよね……」
「ちがうっての」
全否定され、同時にデコピンを食らう。
い、いたいっ。



