キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ

「でも、ここのご飯を食べて少しは――――」


と言った時。

毒入りご飯を食べた後の、凌生くんの苦しむ姿を思い出す。

毒が入っているご飯は、もう廃棄されたのに……私の頭の中に、映像としてずっと残っている。


「夕ご飯、食べてないね。やっぱり食べずらい?」

「いえ……そういうわけでは」


と言いながら、事実その通りで。

きっと朝ごはんも、この調子じゃ食べられない。

もしかしたら毒が入ってるんじゃないかって、そんな先入観が私の手を止めてしまう。


「でもさぁ、ご飯を食べないと、せっかく春宮が起きても、入れ替わりで未夢ちゃんがベッド行きだよ。ただでさえ栄養足りてないんだから食べないと」

「朝になったら、必ず食べるので……」


なのでどうか今はそっとしておいてください――と言いかけた私の目の前に。


「はい、あーん」


スプーンですくったご飯を、私の目の前に差し出す雷斗くん。