「このままじゃ……あ、凌生くん。少しの間、我慢してくださいね!」
まず私がクイッと解毒薬を口に含む。
次に凌生くんの口に触れ、流し込んだ。
「う……、」
苦しいのか凌生くんは唸るだけで、呑み込もうとしない。
それなら――
「(もっと深く……っ)」
凌生くんの舌をグイッと押すように、自分のそれに力をこめる。
すると条件反射のように舌をひくつかせた凌生くんは、喉仏を上下させた。
これにより、解毒薬が全て凌生くんの体に入る。
「よ、よかったぁ……っ」
でも、まだ油断は禁物。
私がバカだったばかりに、考えが足りなかったばかりに。
「ごめんなさい、凌生くん……っ」
私が凌生くんの言葉を信じなかったから。
このB地区にいる人達は優しいに決まってる。だから毒なんて嘘だって――そう決めつけちゃったから。
「うぅ~っ……」



