「だ、出してください凌生くん!」
「なんで?」
「なんでって、だって毒が!」
すると凌生くんは「ハッ」と笑った。
「なに? じゃあ毒と分かってて食べようとしたわけ?」
「なわけないです! さっきの雷斗くんの顔を見て分かりました、きっと毒は本物です。だから今すぐ吐き出して!」
「ふーん、本物なんだ」
毒が体に入ったというのに、のんびりした口調の凌生くん。
え……、苦しくないの?
だって毒なんでしょ?
戸惑っていると、凌生くんが私の背中をポンと叩く。
「俺の心配するのも結構だけどさ。アレ、どうすんの?」
「え……」
凌生くんが指をさした先には、イレイズ。
いつの間にかナイフを手にしていて、切っ先を私へ向けていた。
「違う、違う。計画が見破られるなんて、違う。俺は完璧。そう完璧。
完璧な計画で、その女を連れていく!」
「――っ!」
あぁ、そんな……。



