キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「食べられない?」

「コイツが朝から怪しい行動をしているって報告があってね。試しに泳がせていたんだ。

そうしたらバッチリ。未夢ちゃんのご飯に毒を盛ってる現場を押さえられたってわけ」

「……へ?」


毒?

するとイレイズは「違う、違う」と頭を振る。


い、嫌がってるよ?

だから「毒」なんて、何かの冗談じゃないの?


「き、気のせいですよ、きっと……」

「なら、あんたが食べてみれば?」

「え……」


怜くんが、ご飯をお盆ごとズイと私に寄こす。

美味しそうな湯気が、ホクホク立っていて……とても毒が入っているなんて思えない。

それに、イレイズの表情。

あんなに辛そうなのに。

あんなに、



――お礼はこっち。ありがとう



あんなに優しい人なのに。

毒なんて、やっぱり嘘だよ。