「いってらっしゃい、なんて……」
ずるいよ、凌生くん。
だって……。
――優しくしてもらったからって、簡単に絆されるな
さっきの発言、許しちゃいそうになるもん。
「でも、私のために全部買ってくれたんだよね……?」
私がお屋敷へ取りに帰らなく打てもいいように、わざわざ買ってくれた。
私のために――
「やっぱり……凌生くんはズルい」
その時、ふと、
これから怜くんが迎えに来てくれることを思い出す。
私、まだパジャマのままだ!
テーブルに置かれたご飯を急いで食べ、超特急で身支度を整える。
その五分後。
ドアの向こうから、怜くんがノックした。
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