それは、急な提案だった。


「え、私が学校に、ですか?」

「そう。行きたい? 行きたくない?」

「もちろん行きたいです!」


朝起きてすぐベッドの中でまどろんでいると、先に起きていた凌生くんが上から、私の顔の両側に手をついた。

なんだか……。


「この態勢、恥ずかしいのですが」

「ふっ、なんで?」


なんで?って笑ってるわりには楽しそうな顔。

これは……凌生くん、私をからかってる。


「言って、未夢。なんで恥ずかしいの?」

「だ、だって……」


モゴモゴと口を動かす私に、どんどん顔を近づける凌生くん。

朝から綺麗な顔はまぶしすぎて、恥ずかしさに比例してどんどん急上昇する体温。

観念して、白状するしかない……。


「なんだか襲われてるみたいで、恥ずかしいんです……っ」

「……ぷっ」

「だから言いたくなかったんですよ……っ!」


凌生くんが私を襲うわけないって知ってるけど、この態勢は、そう思っちゃうんだもんっ。