夢の中。 自分の泣き声が響いている。 『う、ひっく……』 汚れたワンピース、長い茶色の髪の毛。 あぁ、間違いない。 あの小さな女の子は、私だ。 『お兄さま、ごめんなさい。 私、もっといい子になるからぁ……っ』 再婚して、すぐ。お兄さまは私に対してキツい態度だった。 だから私は、小さな頃からよく泣いていた。 だけど…… 一人じゃなかった気がする。