「こんなうまそうなもんが目の前に転がってんだぞ。得しかないっての」
「う、うまそうなもん……?」
それって私のこと? いやいや違いますよね――と祈っていると、私の手が凌生くんにとらわれた。
パシャリ
「え、わ……きゃぁっ」
手を持ち上げられ、少しだけ浮上した体。
ミルキーホワイトだから見えてないよね?
ちゃんと私の体は隠れてるよね?
大丈夫だよね……っ!?
顔を真っ赤にして震える私。
同じく火照って赤くなった肩に、凌生くんが反対の手を置いた。
「あんま可愛い反応しない。食っちゃうよ?」
「……わ、私はきっとマズイのでっ」
「大丈夫、俺って悪食だから」
「え、あっ!」
キラリと赤く光ったピアスに目をやった瞬間、バシャっとお湯をかきたてる音。
その音が響いた瞬間、私は凌生くんに抱きしめられていた。



