キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「でも凌生くん、何に困っているのかな?」


想像してみるけど……総季家に困らされてる以外は思い浮かばない。


仕事の事で困ってる?

それとも私生活?


いっそ直接本人に聞きたいけど、オリさんから「誰にも相談しないで」と言われてるし。


「うぅ、八方ふさがりだよ……」


ちゃぷんと、さっきより深く沈む。

ミルキーホワイトに染まったお風呂は底が見えない。

その不透明さは、オリさんから貰った難問と同じ。

難問の先にある答えが、全く分からない。


私……本当に一人きりで何とか出来るのかな?


「せめて凌生くんの悩みだけでも……」


一人でぼやいた、その時だった。


「俺がなんだって?」

「っ!」


突然、後ろから声がした。

背を向けたまま、バシャっと勢いよく体を隠す。