キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「あれだけむいでれば充分です。今日の分は足りますね?」


梗一くんが調理室に確認をとると、二十人くらいの人が一斉に手で「〇」を作った。

そして次に聞こえたのは、


「ありがとう助かった」

「良ければ、また来てよ」

「今度は一緒に料理しような」


そんな嬉しい声。


「~っ、こちらこそ。いつも美味しい料理を作ってくださってありがとうございます。またお手伝いさせてくださいっ」


心がポカポカする。

今までどこにも居場所がなかった私。

そんな私に「また来て」なんて居場所を与えてくれて……思わず鼻の奥がツンとなる。


「また泣いてるのですか?」

「玉ねぎが目に染みただけです……」

「切っていたのはじゃがいもでしょうに」

「うぅ……」


こんな事で泣かないでください、と言われそうだったから思わず強がりを言う。

すると梗一くんは「ふっ」と。

力が抜けたような、そんな柔らかい笑みを浮かべた。