キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「未夢さんが家族に嫌われていようといまいと、それは外には関係のないこと。いくら虐げられていても〝総季家の娘〟には変わらない。つまり、かっこうのターゲットなのですよ」

「でも、今まで危ない目に遭ったことがなくて……」


むしろ、このB地区に来てイレイズに狙われるようになって、初めて家族以外に怖いものが出来た気がする。


「どうして付き人もSP(エスピー)もなしに平穏無事に過ごせていたか疑問すぎます。

――まるで誰かが守ってくれてるみたいだ」

「誰かが……」


私を守る?

でも、それって誰が……。


悩む私をしり目に、梗一くんが「でも」と付け足した。


「あなたから〝総季家の娘〟というオーラは感じませんし、上手く一般人に溶け込めてるって事なんですかね。拉致しようにも一般人と同化していたら、見つけるだけで骨が折れそうですし」

「でも……」


街の人は、私の顔を見るだけで血相を変えて逃げた。

ということは、どれほどオーラが貧相でも一般人と同化していても、私が「総季未夢」ということはバレてるはず。


じゃあ、やっぱり誰かが私を守ってくれてるの?

いったい誰が――