キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「未夢さんには付き人がいなかったのですか?」

「いなかったですよ?」

「ちなみに学校の登下校は、」

「友達と、徒歩で通学していました」

「……」


すると梗一くんは頭を抱えた。


「天下の総季家の娘がのほほんと歩いてたら、拉致されるのがセオリーですけどね」

「拉致がセオリー……っ?」

「そういうものですよ。金持ちというだけで狙われるのに、世界の総資産額を頭から数えた方が早い家の娘なんて、狙われ続ける人生ですよ。ご家族には必ず付き人がいたでしょう?」

「そういえば……」


以前お兄さまが出かける時、周りに屈強な男性たちがびっしりいた。

あれはお兄さまを守る人達だったんだ。