「あれ? さっきまで真っ暗だったのに……」
「階段と廊下の間に扉があるんですよ。今は私が開けてるので、その光が差し込んでいるんです」
「あ、本当だ」
仕切りがあったから、常に階段が真っ暗だったんだ。
「はぁ~……」
無事にイレイズから逃げられたという安心感に包まれる。
最初は迷ったけど、やっぱり階段を降りて正解だった。
ここで梗一くんと会えたのも幸運だったし――
なんて思っていると。
ヒタリ
首に冷たい無機物の感触。
間違いない、これは梗一くんのナイフだ。
「それで? どうして監視対象の未夢さんが一人でウロウロしてるんですかねぇ? それに地下に行くなと忠告していたのに。そんなに生き急いでどうしたんです?」
「ご、誤解ですっ。ただ私は掃除道具を借りに来ただけで……。部屋を出たらイレイズと出会って、無我夢中で逃げて居たら、いつの間にか地下に来ちゃったんです!」
「信用できませんね」



