キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


バタンッ


「オリ、これ飲めよ」

「凌生様、ありがとございます」

「それで――」


オリさんから目を離した後。

凌生くんは、静かに座っている私へと目をやった。


「なぁ未夢。まさか拗ねてんの?」

「……なわけ、ないです」


拗ねるって、意味が分からない。ちがうよ。

私はただ……凌生くんの二重人格に驚いてるだけ。


「麻琴ちゃんの前では、スッゴク優しかったですね。言葉遣いまで変えて」

「やっぱ拗ねてる」

「だ、だから拗ねてません……っ」


言い返すと「未夢が言ったんじゃん」と凌生くん。



――試しにやってみるか?

――私は平気ですけど?



「だからいい顔してみたっていうのに。言った本人が我慢できないなんてな?」

「が、我慢って、」

「してたろ。早く終わらねーかなって顔をしてたぞ」