凌生くんが麻琴ちゃんに微笑むたび、なんだか胸が騒がしくなる。
居心地が悪くなる。
せっかく麻琴ちゃんと会えたのに……。
「……っ」
「じゃあ……」
チラリと。
凌生くんは私に目をやった後、麻琴ちゃんの頭をひと撫でした。
「そろそろ我慢の限界らしいから、俺たちは行くね」
「へ? 我慢?」
「猫を飼っていてね。気まぐれで嘘つきの、寂しがり屋な猫なんだ」
……ん?
凌生くんの部屋に猫っていたっけ?
不思議に思いながら、麻琴ちゃんとお別れの挨拶をする。
麻琴ちゃんは去り際に「オアシスをありがとう」って呟いた。
その顔はスッキリと浄化されたような顔で……なんていうか、召されてる。
なんて言ったらいいか分からなくて「また学校でね」と返す。
そして私と凌生くん、それぞれの手に飲み物を持って車に戻った。



