キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「あの超絶カッコイイイケメンは誰⁉ 芸能人⁉」


「あの」と言った時、凌生くんを見た麻琴ちゃん。

あ、麻琴ちゃんは名家の「春宮」の名前は知っていても、息子の顔までは知らないよね。


「〝家族ぐるみ〟でお世話になっている春宮凌生くん、です」

「……どうも。春宮です」


にこっ


「家族ぐるみで」と言った私に、冷たい視線をチラリと浴びせた後。

凌生くんは、麻琴ちゃんを見て笑った。

イケメンがお上品にほほ笑むものだから、麻琴ちゃんの頭はパニック寸前。

というより既にパニック中で「よ、よろしく、です」とロボットみたいに喋った。


「こちらは未夢のお友達?」

「は、はい。麻琴ちゃんです」

「そう。よろしくね、麻琴ちゃん」


ニコッ


畳みかけられるスマイルに、麻琴ちゃんは「はいぃ」とのぼせてしまった。

周りにいる女性たちですら「カッコイイ」と噂している。


モヤッ


「!」


な、なに?

自分の体の中を、何か嫌なものが通ったような……。