キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「あの、もし良かったらコレ!」

「え!」


電話番号を書いたメモを渡してきた女性に驚いたのは私のほうで、凌生くんは「どうも」とクールに受け取っていた。

ニコリともせず、挨拶もせず。少し冷たい感じ。


「お前、いま俺のこと冷たいって思ったろ?」

「え! そんなことは……」


凌生くんはエスパーなのかな?

私の考えを何でもお見通しなのは、全然高校生らしくない。


「少しでも良い顔してみろ。脈ありだと思って、この辺にいる女が全員寄ってくるぞ」

「そ、そうなんですか?」

「試しにやってみるか? でも女がきたら、俺は未夢どころじゃなくなるけど」

「!」


ニッと笑う顔が、すっごく楽しそう。

そうか。これは私を試してるんだ。

駆け引きみたいなことをして……もう、子供みたいっ。


「わ、私は平気です、よ?」

「ふぅん」