キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「あ、なるほど。凌生くんは〝人質に甘い〟って事ですね?」

「なに言ってんだ。人質なんて鎖につないで放置するに決まってんだろ」

「……」


なら私も鎖につないで放置されるはずでは?と思ったけど。

恐ろしくて聞き返すことが出来なくて、二人並んで大人しくコーヒーを待つ。


「……」


チラリと凌生くんを見る。

仕事のメールを確認しているのか、目線はスマホに落ちている。


真剣な横顔。建物の中で見る凌生くんもカッコイイけど、お日様の下にいる凌生くんはなんだか神々しいというか。

カッコよさが限界を突き抜けることって、本当にあるんだ。


「……ふっ。なに?」

「え?」

「そんなに見られると穴が開く」

「ッ!」


見てたのバレちゃったっ。

急いで視線を外し「気のせいですよ」とウソをつく。

もちろん「ウソついてる」ってバレてるけど。