キケンな夜、追われる少女は、ヒミツの甘園へ迷いこむ


「どうしたオリ、風邪か?」

「いえ、大丈夫ですよ」

「……未夢、一緒に来い。

オリ、すぐ戻るから待ってろ」


言うやいなや。

凌生くんは私を車から引きずり出す。

そしてテイクアウトできるコーヒーショップの列に並んだ。


「オリは確かブラックが好きだったよな」


と言うあたり、オリさんのために買うコーヒーなんだろうな。

凌生くんの優しい一面を見て、少しだけ心が和む。


「さっきオリと何の話をしてたんだよ」

「えっと、世間話……です」

「……未夢も、オリと同じブラックな」


え、ブラック?

む、無理です。飲めません……っ。


手をブンブン振って「私は結構です」と言うと、凌生くんは意地悪く笑った。


「ウソついた罰」

「ウソ?」