「迎えに来た、俺の妻よ」
いつも通り、神社の参道道つまり正中を掃除している時だった。
真っ黒な車が神社の前に止まって、真っ黒なスーツに身を包んだ人が何人か現れた。
黒いサングラスまで身につけて、明らかに普通の人ではないオーラが全開。
今すぐにでも握ってる箒を放り出して逃げたい!
け、けどまずは落ち着こう。
もしかしたら、参拝したいのかもしれないし!
うん、きっとそうだよね!
さっき「妻」とか変な単語が聞こえたけど、多分気のせいだよね。
「白鈴神社に何か用でしょうか?参拝ですか?」
笑顔でスーツの人達に尋ねた。
けどみんな無表情。
すっごく怖い!
なんの反応もしてくれないし、どうしたらいいんだろう。
「ククッ」
突然、スーツの1人が笑い出した。
え、私なにか変なことを言っちゃた!?
「会話が噛み合ってねーな。俺の話を聞き逃して、挙句の果てには俺らが参拝だとはな」
あ、この声さっきの。
その人はかけていたサングラスを外して、胸ポケットにしまった。
「想像以上だな」