オリジナル短編小説
「生命の記憶」


「生命-親-」

「ふふっ女の子ですよ〜」
看護師さんから私に抱き渡された。
とっても温かくて、ほっぺたをフニフニと触ってみるとふわふわしてて、あくびをふわあっとするあなたは、とってもとっても可愛くて………
産まれてきてくれてありがとう
たくさん生きてね。

あなたのほっぺたにキスし、そう願った。


未だに憶えている
あなたが産まれてきてくれた時の事。

叶うのなら一緒にお出かけしたかったな。

そう思いながらチェストの上を見る。
写真の中のあなたは眩しいくらいに笑っている。
明るくて可愛くて優しくて…でも少し忘れっぽい子だった。


あの時、気付いておけば良かった。
あの時、あの子のSOSに気付いておけば………
そう悔やみながら涙が頬を伝った。


でもね、、これだけは言わせて。。。
あなたが逝くまでの17年間、本当に本当に幸せだった。
ずっと大好き。