「はぁっ、はぁっ……、高崎くんっ!」

高崎くんに置いて行かれてしまうかも、と思い必死に走って向かう。

初めは歩いていたけれど、列の進む速度が速かったから置いて行かれる…と思って走り出してしまった。

けど思ったより進んでいなくてびっくり。

「おかえり〜、で、なんで走ってきたの?」

「置いて行かれると思って……!」

「もし俺の方が早かったとして、美優ちゃんを置いていくと思う?彼女の女の子を置いていくわけないじゃん」

不覚にもドキッとしてしまう。

わざわざ彼女、と言う言葉を使って話すからドキドキしてしまうんだ。

しかも私を置いて行かないのが当たり前と言わんばかりの言葉。

こうして男の子にドキドキする日が来るなんて知らなかった。