「和歌の願いは?」

「……純と手を繋ぐこと」

「なんだ、そんなこと」

「そんなことってな……に」

やっと私の方に向いてくれたと思ったら、私の手を取りぎゅっと握った。

手を繋ぐ。

私の願いをすぐ叶えてくれた。

純を見るとすごく優しい表情で頬が少し赤かった。

その表情を見て涙が溢れた。

もう、純のせいだ……。

優しすぎるんだよ純は。

少し身勝手で優しくてかっこよくて……大好き。

「和歌、好きだよ」

「ふぇっ……意地悪」

「意地悪でもいい。和歌が好きだ。和歌の願うことならなんでも叶えてやる」

「じゃあ……また後で、もう一回、手を繋いで欲しい」

「それだけ?」

「あと、キスの感覚わからなかった。も、もう一回して欲しい」

こんなこと言うのなんてらしくない。

でも今は本心を言うべきだ思った。

そしたらふっと笑って頷いた。

「当たり前」

あぁ、この人を好きになってよかった。

さっきよりも強く握られた手が熱くって。

その熱から安心とドキドキが伝わってきて。

握られた手から幸せが伝わったような気がした。