Lazy President

唇をぐっと噛んで涙をこらえようと下を向いたら、芹くんの袖が涙を拭った。



「結羽の“なんでもない”は、何かある証拠。話さなくていーけど、嘘つく必要はないでしょ?ずっとそーゆーの続けてたら、いつかストレスでハゲるよ、マジで」



昨日抱きしめてくれた時みたいな優しい声色が耳に入ってきて、それだけでまた泣いちゃいそうになったけど…。



最後の一言が、本気のトーンだったからかな。



「っふ、ふふ…。私、ハゲちゃうの?」



「うん、冗談抜きで言ってるからねこれ。舐めない方がいーよ」



「ふっ…あははっ…!」



真剣な顔をする芹くんが可笑しくて、自信が持てないだとか、過去の思い出だとか、そういうの全部どうでもよくなった。



「…この服、あんまり気に入らない?違うの着てみる?」



芹くんが私の反応を伺うように聞いてきたから、誤解されないように満面の笑みを返す。



「ううん、すっごく気に入ったよ…!ありがとう、私のために選んでくれて」



本心をそのまま伝えると、明らかにホッとした顔をしたのがわかった。



芹くんも、私が気に入るか不安だったのかな…?



そう思うと、芹くんのことがちょっと可愛く思えてきた。