「ふわぁ〜……。うぅ、ねもい…」



寝不足気味のまま学校に通うなんて、やっぱり無茶だった…。



次から次へと出てくる大きなあくびをする度に、今すぐ家に帰りたい衝動に駆られる。



自分の席で重たいまぶたを必死に開けようとしても、自然と落っこちてくる始末。



昨日、芹くんの前で大泣きしてからそのまま落ちるように眠ってしまったらしい。



気がついたときには自分の家のベッドの上に寝ていて。



『勝手に色々しちゃってごめん。またいつでもおいで。待ってる』



机の上には芹くんの連絡先とあのマンションの住所が書いてある置き手紙が残されていた。



なんで私の家がわかったんだろう…とか。



なんで私着替えてるんだろう…とか。



浮かび上がってくる疑問は沢山あるけど、今はもうそれどころじゃない。



「ふわぁぁあ〜〜……ぅ、むり…目が、勝手に閉じちゃう…」



睡眠不足って恐ろしい。



こうやって独り言でも言ってないと、本当に眠りについてしまいそう。



…だめ、ここで先生たちの信頼を失うわけにはいかないもん。



ここは死にものぐるいで勉強して入った学校。