「そこは割愛させていただきます」
「いや割愛するとこじゃないでしょ絶対!」
至って真面目な芹くんにツッコミを入れだけれど。
「んで、凪は副代理総長。凪のフルネームは凪 海斗ね。腐れ縁って言ったと思うけど、幼なじみってやつなんだ。あんなやつと幼なじみとか面倒臭いよねほんと。幼稚園の頃からアレと一緒とか俺にしか耐えられないよ」
「ちょ、ストップストップ…!情報量多いし早いよ!」
間髪入れずに話し続けるから、やっぱり話を止める他ない。
「うん、頑張って脳内処理してね」
「………」
何がなんでも自分のペースを貫く芹くんにもはや感心してしまい、呆れを通り越して尊敬の念を覚える。
もう、諦めようかな…。
理解できる範囲を覚えておこう…。
心の中で項垂れながら、これはもうどうしようもないと諦めた。
「あとは…そうだね、このマンションのことも話しておこうか」
それって、芹くんが住んでるこのタワマンのこと…だよね。
そういえば、この部屋が最上階だからかタワマンだからなのか分からないけど、さっきから人の気配をまるで感じない。



