「もし俺が不良だったら…結羽はどうする?」
「どっ……どうする、って…」
言われても……。
芹くんの試すような言い方が私を惑わす。
もし、芹くんが本当に不良だったとして…。
私に対する態度を変えるとは到底思えないし、想像できない。
それに……。
「…芹くんは芹くん、でしょ?芹くんがどんな人達と一緒にいたって、それだけは変わらない」
芹くんが暴走族や不良の仲間でも…今、私が接してる芹くん自身が変わるわけじゃないから。
「だから、どうもしないよ?芹くんと一緒にいる」
芹くんだけをまっすぐ見つめて、気持ちが伝わるようにゆっくり話す。
私が彼の何かを知っているわけでもないし、知る権利があるわけでもない。
でも…どうしたって、もっと知りたいって思ってしまうの。
だけど、ここでふと気がついた。
…って、思ってることそのまま言っちゃったけど、すごい彼女面してない!?
私、何様なの!?
ほら、芹くんも固まって何も言ってくれないし!!
今さら慌てたって、言ってしまったことはもう無かったことにはできないわけで。
と、とりあえず弁明しておこう…!