左之助「そーいえば、俺ぁ原田 左之助っつうんだ。 よろしくな、雪乃」
向かい側に座っている、原田さんに自己紹介をされた。
『よっ、よろしくお願いします…』
ぺこり、と頭を下げる。
やはり、先ほど 私が負かした藤堂に話しかけていたのは、原田さんだった。
現代で…いや、ここでは未来と言うべきか。
原田さんの肖像画や写真を見たことはなかったから知らなかったけれど、予想以上の美丈夫である。
浅黒い肌、やや不機嫌顔に見えてしまうのは、彼が切れ長の吊り目で言葉遣いが少々荒いせいだろう。
しかし、その言葉遣いに相対して、怜悧と評判だ。
左之助「俺ぁ、おめぇが気に入ったわ! 藤堂負かして、斉藤とも互角にやり合ってんだったら 仲間になっても文句ねぇよ。」
ニカッと、笑った。
私が女だと知っていても、このような寛大な態度を取ってくれる。 原田という男は、一度懐に潜り込めば、そう考えを覆すことはない。
私はここに来る前から、仲間のためなら命をも惜しまない その姿勢に、好感を抱いていた。
平助「サノっさん! 負かしたとか言わないでくださいよ〜っ…。」
そんなに悔しかったのか、未だにしょげている。
左之助「事実だろ? 俺たち、この目で見たからな。 細っせぇ女子に竹刀 吹っ飛ばされてたろ! ガハハッ!!」
平助「あ゛ー!! ありゃ、不意打ちだったからだわ! 次は大丈夫だし!!」
ふんすっ、と息巻いている。
歳三「というか、藤堂は北辰一刀流 目録止まりだろう? 雪乃は免許皆伝っつう話だから、勝ち目ねぇよ」
平助「なっ! そ、それは黙っててくださいよ土方さん!!」
『目録止まりだったんですね…』
すっかり免許皆伝かと思っていたけれど、確かに手合わせの時は呆気なかった。
成る程な…と納得する。
平助「そ、そんな憐れむような目で見なくても…」
総司「いやーそれにしても、雪乃さん凄かったですね〜。 竹刀握ったら人が変わってましたよ」
新八「やっぱ免許皆伝は伊達じゃないな〜。 可愛くて強いんなら、俺も大歓迎よ」
そう言って、湯呑みに入ったお茶を飲んで、喉仏を大きく震わした。
新八「それにしたってよ〜、総司が女子と仲いいことに驚いたわ。 やっぱ恋仲なんじゃ___」
総司「まったく、やだなぁ新八さんったら。 違うと言ったでしょう? 雪乃さんが気に入ったのか知りませんけど、探り入れないでくださいよ」
新八「ちっ、違うわ!!!」
さすが、沖田節といったところ。 永倉さんは狼狽えている。

