新八「ここが俺達の屯所ね!近いっしょ?」



『は、はい…』



 知ってはいたけれど…雰囲気は令和の時代の前川邸も一緒で、変わらないんだなあ。



 まあ、現在は非公開だから、主に芹沢派が住んでいた八木邸にしか入ったことはないけれど。



 ああっ…そういえば、屯所ということは、芹沢 鴨とか、土方 歳三とか、おっかない人がたくさんいるんだよね…。



 ここに来て、若干 不安だ。



総司「大丈夫ですよ、雪乃さん。皆さん優しい人たちですから」



 …そんなに態度に出ていただろうか。



 私の、ほんの少しの仕草を感じ取って、安心する言葉をくれる。



 浅黒い肌に、頼りない猫背、ひょろっとして背が高い。



 儚いけれど、温かい人だと思う。



総司「ウチにようこそ、雪乃さん」



 そう、招き入れられた。