文久、3年…。1863年か…。



 確か、今年の8月くらいに新撰組に名前を変えるんだっけ。



新八「え、俺の誘いは無視ですかね?」



総司「女性を男ばかりのところに連れていけるわけないでしょう。ご両親が心配されます」



 そういえば、と思い返す。



 今の時代は幕末だ。ということは、当然のこと、私も 親も生まれていない。



 つまり、一瞬にして身寄りのない人になってしまったのだ。



 …まあ、せいせいするけれど。



『あー…親は居ないんです。』



総司「…そうですか、すみません。」



『き、気になさらないでください!気を使わせるつもりで言ったわけではないので』



 変に気を使わせてしまって、こちらの方こそ申し訳ない。



新八「だってよー総司。いたいけな女の子を、放っておけないよ。」



総司「そう、ですね……雪乃さん、もしよろしければ、ウチの屯所に来ませんか?」



 新撰組…もとい、壬生浪士組の屯所。



 正直、頼れる人はこの時代にはいないし、折角 誘ってもらったからお言葉に甘えよう。



『よ、よろしくお願いします…!』