がんばったけど。
ホントにがんばったんだけど。
「落っこちちゃいました……」
力なくそうつぶやくことしかできなかった。
あんなに神さまに願ったのに。
自信もあったのに。
毎日少しずつ積み重ねた努力は、まるで泡のように消えて。
なんともあっけなく、どん底につき落とされちゃった。
小鳥遊部長は、
「そっか」
と、静かにつぶやいたあと。
「なぁ、オーディションのときのセリフってどんなんだった?」
え?
わたしは涙目のまま、部長を見つめる。
「課題あったんだろ? せっかくだから聞かせろよ」
かああっ、と自分の顔が真っ赤になる。
オーディションのときよりも、はるかに心臓がドキドキ鳴ってる。
わたしは、ゴシゴシとハンカチで涙をふくと小鳥遊部長のほうを向いた。
「わたし……」
ダメだ、緊張で声がかたい。落ち着いて、落ち着いて。
「わたしは、この町が大好き。なぜなら」
そう言ったとたん、涙がポロッとあふれ出た。
泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。ちゃんと言わなくちゃ。
「なぜなら、ここには」
そう、わたしの前には。
「かけがえのない、あなたがいるから」
ホントにがんばったんだけど。
「落っこちちゃいました……」
力なくそうつぶやくことしかできなかった。
あんなに神さまに願ったのに。
自信もあったのに。
毎日少しずつ積み重ねた努力は、まるで泡のように消えて。
なんともあっけなく、どん底につき落とされちゃった。
小鳥遊部長は、
「そっか」
と、静かにつぶやいたあと。
「なぁ、オーディションのときのセリフってどんなんだった?」
え?
わたしは涙目のまま、部長を見つめる。
「課題あったんだろ? せっかくだから聞かせろよ」
かああっ、と自分の顔が真っ赤になる。
オーディションのときよりも、はるかに心臓がドキドキ鳴ってる。
わたしは、ゴシゴシとハンカチで涙をふくと小鳥遊部長のほうを向いた。
「わたし……」
ダメだ、緊張で声がかたい。落ち着いて、落ち着いて。
「わたしは、この町が大好き。なぜなら」
そう言ったとたん、涙がポロッとあふれ出た。
泣いちゃダメ。泣いちゃダメ。ちゃんと言わなくちゃ。
「なぜなら、ここには」
そう、わたしの前には。
「かけがえのない、あなたがいるから」