「ルーリエ嬢。あなたと第一王子との婚約は解消されました。約束通り、私の花嫁になっていただけますか?」
「――ええ。もちろんです」
「では感謝の気持ちを込めて、あなたにドレスを贈る名誉を」
予想外の言葉に、反応するのが数秒遅れた。
ルーリエの返事を待たず、きらきらと淡い光の粒が天井から降り注ぐ。
女神の祝福のような光景に目を瞬くと、小さい光は無数の虹色の蝶へと変化した。蝶はルーリエの体を埋め尽くし、視界が色の洪水で遮られる。思わず目をつぶるが、まぶしいのは数秒だった。
一体何が起きたのかと自分の体を見下ろし、固まった。
「えっ……?」
社交界において、ドレスは女の鎧であり武器である。
かくいうルーリエも自分を鼓舞するため、今夜は深紅のドレスで武装していた。けれど悪女らしい強気な雰囲気から一転、今は優しい趣に様変わりしている。
「――ええ。もちろんです」
「では感謝の気持ちを込めて、あなたにドレスを贈る名誉を」
予想外の言葉に、反応するのが数秒遅れた。
ルーリエの返事を待たず、きらきらと淡い光の粒が天井から降り注ぐ。
女神の祝福のような光景に目を瞬くと、小さい光は無数の虹色の蝶へと変化した。蝶はルーリエの体を埋め尽くし、視界が色の洪水で遮られる。思わず目をつぶるが、まぶしいのは数秒だった。
一体何が起きたのかと自分の体を見下ろし、固まった。
「えっ……?」
社交界において、ドレスは女の鎧であり武器である。
かくいうルーリエも自分を鼓舞するため、今夜は深紅のドレスで武装していた。けれど悪女らしい強気な雰囲気から一転、今は優しい趣に様変わりしている。



